季節の便り
佐渡
久しぶりに真夏の佐渡に行きました。
「鼓童」の主催するアースセレブレーションは22回と長い間催していて、私が初めてお店を出しながら行ったのが、10年前だった。最初は海の砂浜にテントを建てて、そこで泳いだり、コンサートに行きたかったのだが、店をだしているため、思うように動けず、次の年は遊びに専念することにした。外国人がたくさん来ていて、太鼓は世界に通用しているのだと実感。海で泳いだり、コンサートを楽しんだり、といつものように佐渡を味わった。
今回は、佐渡に古くから守り継がれてきた、能舞台をいくつか見に行った。世阿弥が島流しの刑で、佐渡に流され余生を過ごした島ということもあるのだろうか、佐渡は今でも能が頻繁に行われている。普通、能舞台には正面の板壁に松の木が描かれているが、太陽も描かれている、茅葺きの1000年前のものがすばらしかった。佐渡にはすばらしい文化があるのだと感じた。
最近、京都のギャラリーですばらしい布を買った。それが佐渡の「科布」であった。昔、かやに使っていたそうで、お金持ちの人のもので、普通の人はかやはなくて、蚊にさされながら暮らしたそうだ。まさか、佐渡で科布を作っていたとは驚きだった。
真夏の佐渡は何回いってもすばらしい!
(2009年8月更新)
やっと夏ですね。
梅雨も明けて、入道雲が出て、やっと夏です。我が家の鶏がやっと卵を産んでくれるようになりました。数年前には、オス、メスで飼ってたのですが、オスは怖いし、夜中に(3時半ぐらい)コケコッコウーと鳴くので眼が覚めてしまうということで、今回はオスなしです。午後になって、小屋から出すと夕方には小屋に入るのですが、オスがいるときは、メスが全員入るのを見届けてから自分が入ります。雨の時、風の時いつもメスを守っているのです。でも、そのため人間の足もつつくし、犬にさえ威嚇します。自然の摂理より、合理性を取りました。
鶏小屋はネパールの石積みの家からヒントを得て、つれあいが10年前にあっという間に作りました。鶏は草やミミズをいっぱい食べて、おいしい卵が食べられて感謝です。
今年の夏は雨ばかりで、染めた布も干すことができなかったりしています。それでも今日は古い藍を捨てて、藍をたてて板締めをやるための準備をしました。
サンサンとした太陽がしばらく続いて欲しいです。
(2009年8月更新)
梅雨
長野は毎日、しとしと雨が降って、朝、晩は寒いくらいです。
今は柿渋がよく染まるのですが、この雨で中断です。バッグ用の柿渋の布はほとんど、手織りのヘンプ(大麻ーインドでオーダーで作っている布です。)まず、クルミのチップなどで下染めをします。それから、柿渋で2ケ月くらいかけて、25回くらい重ねて染めては、お日様に当てて発色させます。くるみのタンニン質と柿渋の相性がいいので、とてもよい色を出してくれます。今の季節はお日様が出ると強いので、薄い布は朝と夕方だけ干します。たまに水にたっぷり浸してから、柿渋につける。色を見ながら、濃度もそのときに考えます。
手間ひまかけて染めた布をバッグにする。持ち手も桑やくるみの木の枝をひとつ、ひとつ削って、漆を塗る。そして、ボタンの模様はカミキリムシが作ってくれている。先日見たカミキリムシは水色の水玉模様の柄をしていて、とてもおしゃれな虫だった。この虫やその仲間が、6月から8月にかけて食べてくれる。ほどよい模様ができたら、削ってボタンにする。これで、バッグのできあがり、、、、、。 今年は、家の周りの木があまりに伸びすぎて、鬱蒼としてきたので木を切ってもらった。そして、竹やぶも切ってもらった。木はストーブの薪にするのに切って、竹は干し場のさおに使うのに、きれいにした。
自分の暮らしを作るように、ひとつ、ひとつ手間をかけて、作り出すバッグなどの作品はとても気持ちがいいです。
(2009年7月更新)
田植え
新緑季節もそろそろ終わり。でも、北アルプスの山々にはまだ雪が残っていて、とても美しい姿をみせてくれる。朝早く起きて、山々をながめていると、ここは天国か?と毎日思っている。先日仕事をしてくれているインド人が日本にきて、富山を訪ねた際、山の中に家々があるのに、夜暗闇の中、人がだれもいなくて「わたしは天国にきてしまったか、、、、とおもった」と目を丸くしていっていた。人それぞれ、天国のイメージが違うのだなーととても面白かった。
田植えも終わった。畑も少しづつ夏野菜を植えている。何年かぶりににわとりも飼い出した。りっぱな石積みの小屋があるのに、2回ほど「はくびしん」に食べられて、全滅したので、しばらくは飼わないほうがいいと近所のおばあちゃんからいわれていた。5年ぶりにかわいいにわとり6羽がきた。まだ卵は産んでくれないが、とても心がなごむものだ。もうそろそろ、山のふきも大きくなるので、いっぱいとって染める季節になった。
(2009年6月更新)